Retrovirus
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マウントポジション。

「たまにはさ、そっちからしてもバチは当たらないと思うぜ?」
「何をですか?」

 上着を脱いでネクタイを緩め始めたこいつにそれとなく話を振ってみる。
 が、本当にわかってないのか、少しだけ首をかしげるバゼット。

 人に甘える事に器用ではないこいつは、基本的には受身だ。
 言葉には言葉を、行動には行動を返してくれるのは嬉しいが、
 やっぱり、たまには向こうから気持ちと言うのを見せて欲しい時もある。
 それが、今なわけだが。

「ん、キスとか」
「……?!」

 ネクタイを緩めていた手がガチリと固まる。

「ほれ、オレはいつで……」

 ゆらりと。
 それまでなかった殺気がバゼットの背後に立ち込めている事に気づいた。
 ギロリとオレを一瞥。

 って、ちょっと待て!

「な、おっ、うをっ?!」

 歩数にして10歩の距離を一瞬にして詰めると、
 油断していたオレめがけて勢い良く突っ込んできた。

「っ~……」

 派手に倒された割には、どこも痛くないというか。
 むしろ。

「………………」

 マウントポジションで人を殺しそうな、
 マジな目でオレを見るこいつの方が問題だ。

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