『FLOWERS 夏篇』感想文追記その2。
前に、なかなかまとまらないと言っていた考察と言う名の妄言がまとまったので晒し上げ。
前回の追記その1を書いた後、引っ掛かった部分が出てきたので、再度考察みたいな妄想をしてみました。
目次
考察という名の妄想始めるよ
今回はネタバレというか、こうであったらいいな、な個人的な妄想がほとんどを占めるので、笑顔で受け流して頂けるとこれ幸い。
ですが、ネタバレも含みますので、未プレイの方はご注意下さい。
えりか嬢が食直前に飲んでいた錠剤
まず、ひとつめは、えりか嬢が食直前に飲んでいた錠剤について。
最初の感想文ではカロリミットのようなサプリメントなら笑う、と書きましたが、あくまでサプリなら、というお話です。
きちんと処方されたものであると思っているので、食前に飲んでいた錠剤=カロリミット、はむしろ千鳥さんの方でしょうな。
個人的に、えりか嬢が飲んでいた錠剤は経口血糖降下薬の類い(多分、ブドウ糖吸収阻害薬)であると思っています。
どうしてこう思ったのか、は、やっぱり、車椅子を必要とするところ、でしょうか。
人間の1日の基礎代謝に必要なカロリーは、えりか嬢の歳だと平均1350kcalです。
健常者なら特別な運動等しなくても基礎代謝分は楽に消化します。人間が活動する為の最低ラインの必要カロリーなので。
ですが、諸々の移動に歩行ではなく車椅子を用いる所、自身が動くのではなく他者の介助での移動等、僅かながらにエネルギーを使わない所もままあります。
本人が言っている通り食が楽しみのひとつとなるのなら、色々なものを好き嫌いなく食べている、という事になります。
若いし生長期なのだから食べても問題ないじゃないか、とも思うのですが、ダリア先生はともかくとして同年代の千鳥さんが楽に抱えちゃう程度の体重しかないのにそれはないだろって感じたのですよね……。
なので、栄養価の高い食事を摂り続けて糖尿にならない為の処置であると思います。人並みに甘い物も好んでいますし。
自身でもそれなりに気を付けているとは思うのですが、そこまで徹底してそうじゃないなって(笑)
倒れちゃう程生理が重いのも、脊髄損傷が一番の原因でしょうね……。
生理痛云々は、精神的なものでもその重さが変わってくるのですが、下腹部や内臓に疾患がある場合でも程度が変わって来るんですよね。
自分も期間中は歩けない程重くなる時が殆どなので最中は辛いだろうなぁとは思いました。
錠剤に関してツッコミが入ったので、もう少し突っ込んで見解を述べます(貴重なご意見ありがとうございます!!)。
可能性のひとつとして、ご指摘がありました抗凝固薬の類いも考えていたのです。
車椅子にずっと座っていて自分の意思で足が動きませんので、臀部や車椅子の座部に置いている腿に床ずれが起きる確率も高いです。
そして、上半身は動くにしろ、下半身はずっと同じ体勢でいるわけです。血流の問題が出てきますよね。
飛行機や新幹線、オフィスでのデスクワーク等、長時間同じ体勢のまま座っていると、健常者でも陥る症状が出ます。静脈血栓塞栓症――いわゆる、エコノミークラス症候群です。
同じ体勢でいる事で下肢が圧迫されてうっ血を起こし血栓が出来てしまいます。この血栓が立ち上がったりした時に血管内を移動して細い血管の口を塞いでしまう事で、目眩や吐き気、激しい動悸、重いものでは意識不明にさせたり、詰まるところが悪ければ最悪死に至ったりもします。
で、それらを解消するために抗凝固薬の服用があるのではないか、と考えていたのですが。
えりか嬢、必ず「食直前」に錠剤を口に放っているのですよね……。
食前に飲む薬なら、食前30分前と決まっています。ですが、食事をする直前なのです。
そこから、作中で飲んでいる薬は経口血糖降下薬の類いだと思い至ったわけです。
抗凝固薬のような効果のきつい薬は食前ではなく、食後に服用するのですよね……じゃないと胃の粘膜を痛めてしまいますし。心筋梗塞を患った父がそうなので。
ですが、抗凝固薬も服用しているとは思います。ただ、作中で描かれた部分だけで言うなら経口血糖降下薬の類いだと、思った次第です。
何回か千鳥さんも食直前に錠剤を口にしていますが、「錠剤」と書かれていたので、恐らくえりか嬢が飲んでいるものと同様のものかなと思います。
えりか嬢が、カロリーを抑えるサプリ代わりとして特別に渡したんじゃないかって。
詳しい描写がないので推測でしかありませんが。
自分が描くえりか嬢の車椅子の座部に座布団敷いてあるのも、床ずれになるだろうなぁと考えた経緯があったります。
高校の時、所属していた生徒会の会内行事の一環で、数名の生徒会役員とご近所の介護ホームに伺って車椅子の方の介助を手伝ったことがありまして。
そういえば車椅子の座部に、座り続けても負担にならないように厚手の座布団やクッションを重ねていらっしゃる方が居たな、と思い出しました。
姿勢を無理なく正す意味でも使われていたのですが、えりか嬢はしっかり背が伸びていたので、そこまで重ねてはいないかな、と。
まぁ、付け足した座布団は、そうであればいいな、と思った程度の付け足しですので、本当の所はわかりませんが(笑)
料理部で振る舞われたコーヒー
ふたつめ。
ダリア先生とフックマンを調べている時に料理部で出されたコーヒー。
えりか嬢の目には、譲葉先輩が料理部から出てきて、再度話をする為にトンボ帰りして、既に用意してあったコーヒーを振る舞ってくれた、と映っています。
休みであった料理部から出てきたのは、所属している部だから、まぁいいでしょう。休みの日だから部室に寄る事もありますし。
個人的に引っ掛かったのは、譲葉先輩が先生とえりか嬢に振る舞ったコーヒーでした。
二人に「コーヒーでいいか」と訊ねてはいるものの、豆から挽いて淹れているのではなく、既にあった出来合いを出している、のが、気になったんですよね……。
春篇ではアミティエ2人の事で悩んでいる蘇芳さんを連れて料理部でネリー先輩がコーヒーを振る舞っています。
この時に出したコーヒーと、譲葉先輩が先生とえりか嬢に出したコーヒーは同じ物だと思いました。
つまるところ、二人が来る前に、このコーヒーを譲葉先輩と一緒に飲んだ先客がいたのではないか、と言う妄想。
息抜きに料理部へ寄って先輩一人が十分に飲める量を作って飲んだという可能性も否定は出来ませんが、一人で飲むのに都合5杯以上も取れる量で作るかなぁ、と。
息抜きだけで寄ったなら、後に残すような事はしそうにないじゃないですか。
先客は誰でも構わないんですけれども、どの辺りが妥当なのかな……学院に近しい人間なのか、ネリー先輩なのか。
すごく小さい事ですが、それがとても気になってしまいました。思い過ごしでしょうが。
マユリが描いた3連の絵
みっつめ。
マユリが描いた3連の絵、受胎告知、ナザレのヨセフ、キリストを抱く聖ヨゼフ。
蘇芳さんやえりか嬢が気付いたようにこの3枚がひとつの物語を成しているのは事実でしょう。
その1枚の中に書かれていた「天に行われるごとく、地に行われるように」という一節。
蘇芳さんの言うように、「天」が現在みんなのいるアングレカムなのだとしたら、「地」は単純に考えればその下、という事になります。
ヨゼフ座が聖堂の地下にあった事が、これに引っ掛かったんですよね……。
そして、カトリックの司祭(神父)でありながら妻帯したと思われるダリア先生の父親を不審に思いました。
これが正教会の司祭様なら司祭になる前に結婚出来るので問題ないのですが、カトリック教会の司祭であるならば問題ですよね……一部の例外はあるにしろ妻帯出来ないわけですから。
一瞬ダリア先生は養女か、とも思ったのですが、純アングレカム製なのは本当なのでしょう。
だとしたら、ですよ。
時代が移り変わって学院も色々と修繕が入って建物等も増減があったと仮定してもですよ、一家族が生活する場所って、どこ?
だって、週数回わざわざ物資を運んでくる業者が来る、んですよ?
アングレカムに従事する教職員を始め、それに従事するスタッフも、全員あの敷地で暮らしているって事、ですよね。街から通じるバスも廃線になっちゃってるし。
敷地は広大なようなので、学院から離れた所に邸宅が建っていても不思議ではないのですが、そうじゃないような気もしました。
明治三年設立という事を考えれば、学院の外ないしは地下に、防空壕のような避難用シェルターみたいなものがあってもおかしくはないのですよね……。
人里離れた山の中の学院なのだから、学院をすっぽり匿えるような大きな地下施設があっても、その施設が家族を始め、学院に従事する人達が暮らす住居を兼ねていても、そこまで不思議ではないと思うのです。
先程も触れましたが、「天」が現在みんなのいるアングレカムなのだとしたら、「地」は地下施設、という定義も、案外いけるのではないか、というおれ妄想。
学院長は本当にいるのか?
最後に、よっつめ。
学院長が生徒の前に姿を現さないのは、何故?
ゲーム本編では、その学年や全体を動かすのは、必ずニカイアの会とシスター達です。それも、全員女性。
かつていた男性もダリア先生の父親が最後、みたいな感じに取れなくもありません。
んが、アングレカムの学院長って歴代男性なのではないか、と思いました。
アングレカムってミッションスクールですが、キリスト教の聖堂(聖教会)&修道院としての側面も持っていたのではないか、と。
マユリが書いた3枚の絵の中の、ナザレのヨセフが気になります。
蘇芳さんが口にした「聖母以外のマリアがいる」と言うのも、気になります。
気になった結果、ヨゼフは姿を見せない学院長なのではないか、という、思惑。だったらマリアはどうなるんだ、と思いますが。
個人的に、最初はネリー先輩が疑わしいなって思ったんですよね……でも、春の譲葉先輩の殴打事件の時の様子からそうではないのかな、って感じました。予想外だ、という反応をしているように思えたので。
そうすると、自然と、今いるキャラの中では純アングレカム製であるダリア先生にしか目が行かないのですよね……。
フックマン事件の時の立ち回りが引っ掛かっているだけなのですけれども。
今まで七不思議で消えたとされている攫われた学生の中から自身の子としてあてがわれるシステム、つまり強制力を持つ養子縁組的なシステムが、実は存在しているのではないか、という大妄想です。
学園長を司祭と仮定しヨゼフとするのならば、司祭を主(ここでは長という意味)とし仕えるシスター達がマリア、でも良い気がします。
譲葉先輩がダリア先生の事を「あの人は教職員じゃなくて聖職者だからな」と言っていましたが、一言に「聖職者」と言っても色々あるわけで。
カトリックにおける「聖職者」は司教・司祭・助祭の地位を言いまして、そういう意味で捉えるならば、ダリア先生は女性でありながらいづれかの地位を得ている、という事になります。
司祭が妻帯出来ない、という言葉から察する事が出来るよう、司祭を務めるのは男性です。助祭もそうです。ですが、助祭はかつて独身女性が務めたという記録があるそうなので、ダリア先生でもクリア出来そうではあります。
なので、少々短絡的ではあるのですが、聖堂のマリア様以外の「真実の女神」の可能性をダリア先生に見ることが出来るな、と思った次第。
また新しくキャラ増えたらわからないのですがw でも、これ以上はもう増えそうにないなとも思います。
……でも、養子縁組的なシステムがあったとしても、それはダリア先生には当てはまらないだろうなぁ。
あくまでも、神父であった父が妻帯して生まれた子がダリア先生ならば、ですが。
13~14の年頃に養子として取られたなら、純アングレカム製にはなりませんよね、それまでは違う場所にいたわけですし。
えりか嬢も沙沙貴姉妹も「ここで3年間」と言っているように、高校まではサポートしていないようですし。
だとしたら、攫われたとされる生徒は、キリストを身ごもるのではなく、アングレカムを治めるマリア、所謂「真実の女神」となる事を強制される為に隠され教育を受けている、という風にも考えられます。
そして、その最初の成功例が、実はダリア先生だった、とか。大妄想過ぎますが(笑)
しかし、それだと、聖者ヨゼフに抱かれたキリストの絵が意味を成さなくなってしまう、のですよね……むぅ。
消えた生徒も全員が全員攫われた、とも考えにくいですよね。中には本当に学院を逃げ出しただけの人もいるでしょうし。
ただ、家の都合で学院を去る、ってさ、仲良かった人には出て行く事を告げると思わない……?
直接的に言わなくても、それとなく出て行く事を口にすると思うんですよね……年頃的に。
それが唐突に持ち物ごとごっそりと居なくなるのは、不可解ですよね……。
あと、ダリア先生の母親の事も気になります。
ダリア先生の口からは、父親の話は出ましたが母親の話は出ませんでしたよね……。
クラスに溶け込めないという悩みを相談したのも、母親ではなく父親に、でした。
春ではこれが引っ掛かっていたのですが、夏のEXTRAシナリオで益々疑惑が深まりました。
口に出来ない理由がある、口にする程の事ではない、そもそも知らないから口に出来ない、どれにしても、あまり存在を感じさせないようにしている風に取れます。
母親の事を口にしない理由が、自分の父親が当時の生徒に手ぇ出して孕ました子が自分だから、とかだと救えないな……w
……こう色々考えていると、『カルタグラ』の学園のシスターを思い出してしまいます(笑)
あの人もものすごい事してましたけれども(笑)、人が居なくなる、という共通点ありますよね……イノグレ、10thだからって、原点回帰としてなぞってんのかね、もしかして(笑)
あとは、出された課題の読書感想文の題として読んでいた宮沢賢治短編集をえりか嬢が借りていったのは、何度読んでも気付きがある、と本人が言っていたのもあるのでしょうが、貸し出しカードに蘇芳さんの名前を見つけてもっかい読んでみるかとか思い立ってくれていたら嬉しいなぁ、と、春篇をやり直していて思いました。
今の所はこれくらい
新たに春篇、夏篇をやり直していて思ったのは、今の所はこれくらい、ですかね……。
夏篇が箸休め的なものに感じるのは、やっぱり次作へのきな臭さが増したから、でしょうか。
あくまでも『FLOWERS』って年齢制限のない一般作品で「人が死なない」のがウリなので、いつものイノグレみたいな事はないと思いますが。
いつものイノグレだったら、夏篇では既にすおさん刺されてるか死体になってるよねwww
つか1年生は概ね生きてない感じになっているのではないかと思います(笑)
しかし、それ故に、色々と勿体ないなと思う事もあります。
一般向けの表現の仕方に手を焼いた、と、杉菜さんや志水さんが春篇のファンブックで仰有ってらしたのを思い出しました。
ですが、「R18」=「性的表現」ではないのですよ……それを制限するためだけの印籠ではないのです。
表現に制限を掛けない方向での「R18」であっても良かったと、切に思いました。
しかしながら、こうして事前妄想として色々と考察出来るのは楽しいですよね。
感じた謎を謎のまま次作まで温存するのも楽しみが増えて悪くはないですが、どうにも創作屋のサガが邪魔をするのか、色々と妄想してしまいます(笑)
春篇をやって夏篇が出るまで色々と自分の中でキャラ関係や舞台背景の色々を妄想しましたが、とても楽しかったですもん。
これで少しでも公式設定とかすってたりすると、それこそ楽しいですよね……! 早く秋篇が来い!!(*´Д`*)←夏から秋になった模様
夏篇感想文本体と追記その1はこちら。
春篇もあります。